乳癌診療ガイドライン「薬学療法」の目次です。
推奨の強さ/エビデンスグレード(疫学・予防の領域に限り採用)/推奨決定のためのアウトカム全般のエビデンスの確実性(強さ) は こちら をご参照ください。
改訂のポイント (2018年版Ver.5/2021年3月31日改訂)
- CQ24:トラスツズマブ デルクステカン(T-DXd)の追加
- CQ30:アテゾリズマブの併用薬がnab PTX毎週投与であることを明記。情報の更新と記載整備。
- 付記3:新規薬剤の追加
- 付記2:レジメの記載内容の整備
- 初期治療・転移再発治療 HER2陽性・陰性に分けて再構成しました。
- 新規レジメンとて、アテゾリズマブ+ナブパクリタキセルとトラスツズマブ デルクステカンを追加しました。
- 制吐薬について AC/ECのアプレピタントがoptionになっていたので、使用を前提としたレジメンとしステロイドの量も変更しました。
- 上記②の変更に伴い、その他のレジメンについても制吐薬のガイドラインに従って前投薬を記載しました。
- 再発乳癌のレジメンでAC, EC, ドセタキセルについては、減量したレジメンを記載しました。
- その他、3週毎ドセタキセルを含むのレジメンの内服ステロイドを統一記載しました。術後パクリタキセル+トラスツズマブのトラスツズマブが毎週投与になっていたので3週毎投与に変更しました。
改訂のポイント (2018年版Ver.4/2020年8月23日改訂)
CQに関して:CQ15(閉経後ホルモン受容体陽性転移・再発乳癌に対する一次内分泌療法)では、フルベストラント単剤、アロマターゼ薬単剤の推奨を下げた。CQ16(閉経後ホルモン受容体陽性HER2陰性転移・再発乳癌の一次療法としてアロマターゼ阻害薬単剤を使用したときの二次内分泌療法)については、CQおよび推奨文を大きく変更した。また、CQ29(ホルモン受容体陽性HER2陰性乳癌に対する多遺伝子アッセイ)(FQ4削除)、CQ30(転移・再発乳癌に対するPD-1/PD-L1阻害薬)、CQ31(BRCA1/2遺伝子変異陽性進行・再発乳癌患者の薬物療法としてPARP阻害薬)(FQ19削除)を新設した。CQ13(閉経前ホルモン受容体陽性転移・再発乳癌に対する一次内分泌療法)は、MONALEESA-7試験結果を追記した。CQ14(閉経前ホルモン受容体陽性転移・再発乳癌に対する二次以降の内分泌療法)は内容を一部更新した。
FQに関して:FQ21(がん遺伝子パネル検査)を新設し、乳癌に関するがん遺伝子パネルの現状と問題点、さらには、乳癌における「標準治療」について言及した。また、FQ20(閉経後ホルモン受容体陽性HER2陰性転移・再発乳癌の二次内分泌療法)、FQ22(BRCA1/2遺伝子変異陽性進行・再発乳癌患者に対するプラチナ製剤)を新設した。
改訂のポイント(2018年版 Ver.3)
主なWEB改訂のポイントについて解説する。
CQに関して:CQ1(閉経前ホルモン受容体陽性乳癌に対する術後内分泌療法)ではSOFT試験の追加報告を反映させた。CQ3(術後内分泌療法の至適投与期間)では、推奨を追加した。CQ7・10では、手術可能なHER2陽性乳癌に対してペルツズマブが承認されたことに伴いFQ5(周術期治療におけるペルツズマブ)と併合する形で改訂した。これに伴い、FQ5は削除した。CQ14・15(閉経後ホルモン受容体陽性転移・再発乳癌に対する内分泌療法)では、ホルモン受容体陽性転移・再発乳癌へのサイクリン依存性キナーゼ4/6阻害薬併用療法に関して、パルボシクリブにアベマシクリブの臨床試験データも加えて解説し、CQ15のフローチャート図も修正した。また、転移・再発乳癌に対するプラチナ製剤の有用性に関するCQ28を新設した。
FQ・総説に関して:CREATE-XおよびKatherine試験の結果を反映する形で、レスポンスガイドによる周術期治療に関するFQ16を新設した。悪性葉状腫瘍の遠隔転移に対する薬物療法に関するFQ17と、妊娠期乳癌に対する薬物療法に関するFQ18も新設した。また、BRCA遺伝子変異陽性乳癌に対する薬物療法に関するFQを初期治療(FQ14)と転移・再発治療(FQ19)に分けて記載した。さらに、初期治療の総説に、今後普及していくことが予想されるバイオシミラーに関する記載を追記した。
【 薬物療法 】
グレード | リンク | BQ | CQ | FQ | 項目 | |||
1 | 2 | 3 | 4 | 1.初期治療 | ||||
閲覧 | 総説 初期治療 | |||||||
閲覧 | 1 | ホルモン受容体陽性乳癌に対して術後内分泌療法は有用か? | ||||||
閲覧 | 15 | タモキシフェンは子宮内膜癌(子宮体癌)発症のリスクを増加させるか? | ||||||
● | ● | 閲覧 | 1 | 閉経前ホルモン受容体陽性乳癌に対する術後内分泌療法として何が推奨されるか? | ||||
● | ● | 閲覧 | 2 | 閉経後ホルモン受容体陽性乳癌に対する術後内分泌療法として何が推奨されるか? | ||||
● | ● | 閲覧 | 3 | 浸潤性乳癌に対する術後内分泌療法の至適治療期間はどれくらいか? | ||||
閲覧 | 4 | 手術可能なホルモン受容体陽性浸潤性乳癌を有する女性に術前内分泌療法を勧められるか? | ||||||
● | ● | a 閉経後女性の場合 | ||||||
● | b 閉経前女性の場合 | |||||||
● | 閲覧 | 5 | ホルモン受容体陽性非浸潤性乳管癌に対して術後内分泌療法は推奨されるか? | |||||
● | 閲覧 | 6 | 手術可能な浸潤性乳癌に対して術前化学療法は推奨されるか? | |||||
● | ● | 閲覧 | 7 | 手術可能なHER2陽性の浸潤性乳癌に対して術前化学療法にトラスツズマブを併用することは推奨されるか? | ||||
● | 閲覧 | 8 | 原発乳癌における術後薬物療法として,静注化学療法の代わりに,経口フッ化ピリミジンは推奨されるか? | |||||
● | 閲覧 | 9 | 原発乳癌に対する術後薬物療法として静注化学療法にカペシタビン同時併用は推奨されるか? | |||||
● | 閲覧 | 10 | HER2陽性原発乳癌に対して術後化学療法とトラスツズマブ併用療法は推奨されるか? | |||||
● | 閲覧 | 11 | 再発リスクが高くかつ十分な骨髄機能を有する症例には,原発乳癌に対してdose―dense化学療法は推奨されるか? | |||||
● | 閲覧 | 12 | ホルモン受容体陽性・HER2陰性乳癌に対する術後化学療法の適応を検討する因子としてKi67は推奨されるか? | |||||
閲覧 | 1 | 周術期化学療法の適応となるすべての原発乳癌に対して,アンスラサイクリンにタキサンを追加する必要があるか? | ||||||
閲覧 | 2 | 術後化学療法でアンスラサイクリンを回避したレジメンは勧められるか? | ||||||
閲覧 | 3 | 病理学的完全奏効(pCR)は無再発生存期間や全生存期間の代替エンドポイントとなるか? | ||||||
● | ● | 閲覧 | 29 | ホルモン受容体陽性HER2陰性乳癌に対して、多遺伝子アッセイの結果によって、術後化学療法を省略することは推奨されるか? | ||||
閲覧 | 6 | 原発乳癌に対する再発予防を目的とする術後薬物療法として骨吸収抑制薬(ビスホスホネート,デノスマブ)は勧められるか? | ||||||
閲覧 | 16 | 術前化学療法で病理的完全奏効(pCR)を得られなかった場合、術後化学療法の変更を考慮すべきか? | ||||||
1 | 2 | 3 | 4 | BQ | CQ | FQ | 2.転移・再発乳癌 | |
閲覧 | 総説 転移・再発乳癌 | |||||||
閲覧 | 2 | 術後療法で用いた内分泌療法は再発後の内分泌療法の選択に影響するか? | ||||||
閲覧 | 3 | 閉経前ホルモン受容体陽性転移・再発乳癌に対して最も有用な卵巣機能抑制方法は何か? | ||||||
閲覧 | 4 | ホルモン受容体陽性転移・再発乳癌に対する内分泌療法において,前治療の効果は次の内分泌療法の効果予測となるか? | ||||||
閲覧 | 5 | 乳癌骨転移に対して骨吸収抑制薬(ビスホスホネート,デノスマブ)は勧められるか? | ||||||
閲覧 | 6 | ER陽性HER2陰性転移・再発乳癌に対する一次治療として,内分泌療法と化学療法のどちらを行うべきか? | ||||||
閲覧 | 7 | 転移・再発乳癌に対して動注化学療法は勧められるか? | ||||||
● | ● | 閲覧 | 13 | 閉経前ホルモン受容体陽性転移・再発乳癌に対する一次内分泌療法として,何が推奨されるか? | ||||
● | 閲覧 | 14 | 閉経前ホルモン受容体陽性転移・再発乳癌に対する二次以降の内分泌療法として,何が推奨されるか? | |||||
● | 閲覧 | 15 | 閉経後ホルモン受容体陽性転移・再発乳癌に対する一次内分泌療法として,何が推奨されるか? | |||||
● | ● | 閲覧 | 16 | 閉経後ホルモン受容体陽性HER2陰性転移・再発乳癌の一次療法としてアロマターゼ阻害薬単剤を使用したときの二次内分泌療法として,何が推奨されるか? | ||||
閲覧 | 20 | 閉経後ホルモン受容体陽性HER2陰性転移・再発乳癌の二次内分泌療法として何が推奨されるか?(一次内分泌療法として、アロマターゼ阻害薬単剤を行った場合はCQ16参照) | ||||||
● | 閲覧 | 17 | 閉経後ホルモン受容体陽性転移・再発乳癌に対する三次治療以降の内分泌療法として,何が推奨されるか? | |||||
● | ● | ● | 閲覧 | 18 | 周術期化学療法においてアンスラサイクリンまたはタキサン系薬剤未使用のとき,HER2陰性転移・再発乳癌に対する一次化学療法として何が推奨されるか? | |||
● | ● | 閲覧 | 19 | 周術期化学療法においてアンスラサイクリンまたはタキサン系薬剤が未使用のとき,HER2陰性転移・再発乳癌に対する二次以降の化学療法として何が推奨されるか? | ||||
● | 閲覧 | 20 | HER2陰性転移・再発乳癌に対する一次・二次治療化学療法としてベバシズマブを併用することは推奨されるか? | |||||
● | 閲覧 | 21 | HER2陰性転移・再発乳癌に対する多剤併用化学療法は推奨されるか? | |||||
● | ● | 閲覧 | 22 | HER2陽性転移・再発乳癌に対する一次治療で推奨される治療は何か? | ||||
● | ● | ● | 閲覧 | 23 | HER2陽性転移・再発乳癌に対する二次治療で推奨される治療は何か? | |||
● | 閲覧 | 24 | HER2陽性転移・再発乳癌に対する三次治療で推奨される治療は何か?New! | |||||
● | ● | 閲覧 | 25 | 化学療法の適応とならないホルモン受容体陽性・HER2陽性転移・再発乳癌に対して内分泌療法単独や抗HER2療法と内分泌療法併用は勧められるか? | ||||
閲覧 | 26 | 高齢者乳癌に対する術後薬物療法として何が勧められるか? | ||||||
● | a.術後内分泌療法の場合 | |||||||
● | ● | b.術後化学療法の場合 | ||||||
● | c.術後化学療法に抗HER2療法を併用する場合 | |||||||
● | ● | 閲覧 | 27 | 転移・再発高齢者乳癌に対する薬物療法として何が推奨されるか? | ||||
● | 閲覧 | 28 | 転移・再発トリプルネガティブ乳癌に対してプラチナ製剤は勧められるか? | |||||
閲覧 | 7 | ホルモン受容体陽性転移・再発乳癌に対するエストロゲン療法は有用か? | ||||||
閲覧 | 8 | 転移・再発乳癌に対する化学療法はどこまで続けるべきか? | ||||||
閲覧 | 9 | 転移・再発乳癌に対して治癒を目指した治療を行うことは勧められるか? | ||||||
閲覧 | 10 | 転移・再発乳癌に対して,化学療法奏効後に内分泌療法による維持療法は勧められるか? | ||||||
閲覧 | 11 | 乳癌脳転移および髄膜播種に抗悪性腫瘍薬は勧められるか? | ||||||
閲覧 | 12 | 局所・領域再発切除術後に薬物療法は勧められるか? | ||||||
● | 閲覧 | 30 | 転移・再発乳癌に対してPD-1/PD-L1阻害薬は勧められるか? New! | |||||
閲覧 | 21 | 乳癌診療において次世代シークエンサー等を用いた遺伝子パネル検査をどのように考えるか? | ||||||
1 | 2 | 3 | 4 | BQ | CQ | FQ | 3.その他(特殊病態,副作用対策など) | |
閲覧 | 8 | 病理分類で特殊型と診断された乳癌では,組織型に応じた周術期薬物療法を行うことが勧められるか? | ||||||
閲覧 | 9 | 原発巣の明らかでない腋窩リンパ節転移(腺癌)に対して,乳癌に準じた薬物療法は勧められるか? | ||||||
閲覧 | 10 | 局所進行乳癌・炎症性乳癌に対して集学的治療は勧められるか? | ||||||
閲覧 | 11 | 化学療法施行前にインフルエンザワクチン接種や肺炎球菌ワクチン接種は勧められるか? | ||||||
閲覧 | 12 | 内分泌療法によるホットフラッシュ・関節痛の対策として薬物療法は勧められるか? | ||||||
閲覧 | 13 | 乳癌治療として補完・代替療法は勧められるか? | ||||||
閲覧 | 14 | アロマターゼ阻害薬使用患者における骨粗鬆症の予防・治療に骨吸収抑制薬(ビスホスホネート,デノスマブ)は推奨されるか? | ||||||
閲覧 | 13 | 化学療法誘発性閉経予防・妊孕性維持のために化学療法中にLH-RHアゴニストを使用することは勧められるか? | ||||||
閲覧 | 14 | BRCA遺伝子変異陽性乳癌患者の周術期薬物療法として何が勧められるか? | ||||||
閲覧 | 15 | CYP2D6遺伝子多型をタモキシフェンの治療効果予測検査として調べることは推奨されるか? | ||||||
閲覧 | 17 | 乳腺悪性葉状腫瘍の遠隔転移に対して薬物療法は勧められるか? | ||||||
閲覧 | 18 | 妊娠期乳癌に対して薬物療法は勧められるか? | ||||||
閲覧 | 22 | BRCA1/2遺伝子変異陽性進行・再発乳癌患者に対してプラチナ製剤は推奨されるか? |
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● | 閲覧 | 31 | BRCA1/2遺伝子変異陽性進行・再発乳癌患者の薬物療法としてPARP阻害薬は推奨されるか? | |||||
閲覧 | 付1. 初期治療における主な併用化学療法 | |||||||
閲覧 | 付2. 化学療法レジメンの処方例 New! | |||||||
閲覧 | 付3. 薬剤一覧 New! |