医学研究や臨床試験に患者さんや市民の声を研究に取り入れて,より良い臨床試験を実施していこうという取り組みが始まっています。こうした取り組みを「PPI(ピーピーアイ)」と呼んでいます。PPIは,Patient & Public Involvementの頭文字をつないだ略語で,「患者・市民参画(参加)」と日本語に訳されています。
PPIを進めることによって,患者さんなどにとってより役に立つ研究成果を導き出すことや,医学研究・臨床試験がスムーズに進むこと,また,参加する患者さん(被験者)のさまざまなリスクを下げたり,患者としての権利を守ることができると期待されています。いま皆さんが読んでいるこのガイドラインも,パブリックコメントや読者カードなどを通じ,患者さんや市民の声を取り入れる仕組みが用意されており,PPIの一つと考えることもできます。臨床試験へのPPIについては,国立研究開発法人 日本医療研究開発機構(AMED)が出している「患者・市民参画(PPI)ガイドブック」にはもっと詳しい情報や,実際に参加した患者さんの体験談なども掲載されていますので興味のある方はご参照ください。
・AMED:研究への患者・市民参画(PPI) https://www.amed.go.jp/ppi/